とことん大きくしてみた!

Product Small Product Large

長くお付き合いのあるエージェンシー様よりご連絡があった。小さな化粧品(クレンザー)をお持ち込みいただき、この形をそのまま数十倍に拡大し、ポップアップストアでのプロモーションディスプレイとして活用したい、というご相談。

Display

想定数量は約100個。まずは、どう作るかを考えるところから‼ 作方法を決めるうえで、最も重要なのは「数量」だ。
100個というのは、実はかなり中途半端な数字。

モックアップで一つひとつ作るには数が多すぎ、かといって射出成形を行うには数量が少なすぎる。

こうした場合、選択肢は真空成形かFRPに限られるが、今回のように実製品とほぼ同じディテールが求められる場合は、真空成形が最適な方法となる。

とはいえ、製品をそのまま大きくするというのは、シンプルに見えて決して簡単ではない。

元の製品が射出成形品であるため、真空成形であの滑らかな質感や細かなディテールを再現するのは難しく、加工の工程でもさまざまな課題が出てくる。

それでも、どうにか形にできるはずだと考え、まずは全体のサイズを決定。
素材には、実製品と同じグリーンのABSを特注で用意し、いよいよ金型製作へと進む。

Mold 1 Mold 2 Mold 3

金型セットがこのようにできあがった。なかなか大きい。下部本体、フタ、内部プレート。3パーツ構成。いよいよ、実際に成形していく。

Process 1 Process 2 Process 3

このように成形ができあがった。先に触れた通り、真空成形では加工上の難しさもいくつかあったが、何度か修正と調整を重ね、なんとか形にすることができた。

Detail

印刷をするにはサイズが大きすぎるため、文字部分はステッカーシートで対応することにした。

Final 1 Final 2 Final 3

こうして完成‼ 隣にある紙コップと比べると、そのサイズ感がよく分かる。

一点だけ惜しいのは、実製品はマット仕上げだが、真空成形ではセミマットの質感になる点。完全なマット仕上げにするには塗装が必要になるが、コストの関係でクライアントの判断により今回は見送ることとなった。

結果として、エージェンシーがクライアントから感謝と高い評価をいただいたとのこと。その一報を聞いて、ひとまず安心した。こういう瞬間があるから、この仕事はやめられない。